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乳腺外科

当院は日本乳癌学会の[認定施設]です。
乳腺外科 2

乳がん診療の実績


 

2010年は127例、2011年は147例、2012年は149例、2013年は176例と増加しています。病院をオープンして、2015年の1年間は280例、2016年は305例と300例を超えました。

 乳房温存率(乳房を残す手術を行なった割合)は2014年までは約80%と全国平均が70%程度なので高い水準でしたが、乳房1次再建(乳房全摘と同時に乳房再建を行う)の需要が急増するとともに温存率も低くなり、2015年の乳房温存率は71%、2016年は61%でした。乳房全摘となって乳房を喪失してしまう方でも、全く同じとはいきませんが、また乳房を取り戻すことができるようになっています。2016年の1年では68人の方に1次再建を施行しました。最高齢では78歳の方に1次再建を行い、あらためて年齢は関係ないのだと感じます。
 温存手術では、特殊な道具を使って内視鏡手術と同等の乳がん手術方法を導入しており、乳がんの根治性を損なうことなく、より美容面で優れた治療が可能となりました。手術前の患者さんには、手術を受けた患者さんの乳房の写真をご覧頂いています。残念ながら乳腺専門医(認定医の資格を得てからさらに研修を積み、業績を重ねて資格試験に合格しなくてはなりません)でない医師による不適切な診断や不適切な治療によって苦しんでいる患者さんが多くいます。そのような事がなくなるように当院が地域の乳腺センターとしての役割を果たし、乳がんの啓蒙についても当院から発信しつづけていきたいと考えています。

 

治療について


三和病院の 
乳がん治療 8つの特徴


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センチネル
リンパ節
生検

センチネルリンパ節  がん(緑色)が最初に転移するリンパ節(青色)をセンチネルリンパ節といいます。色素やアイソトープを使うことによって小さな切開でそのリンパ節を摘出して転移があるかないかを調べます。センチネルリンパ節には転移がなければ脇の下のリンパ節郭清は必要ないといわれています。これによって不必要な腋窩リンパ節郭清を避けることができ、腕の後遺症もほとんどなくなります。
 今まではセンチネルリンパ節に転移があれば腋窩リンパ節郭清を行っていましたが、最近の研究では、わずかな転移であれば腋窩リンパ節郭清はしなくてもよいというデータがでています。これには適切な術後療法と乳房照射が必要です。
 脇の下のリンパ節に再発してしまった場合は、「脇の下のリンパ節を切除する手術」すなわち「晩期郭清」が必要になります。ただその場合でも生存率に影響がなく、およそ2年前後で、その確率は5%程度と言われています。この11年間(2004年〜2014年)で、センチネルリンパ節生検を796人に行い、晩期郭清を行った方は9名(1%)でした。腋窩リンパ節のみの再発はわずか 4例(0.5%)と非常に少数でした。また、この手術では手術する側の腕の後遺症はほとんど発生していません。

 
2

術前
化学療法

 手術の前に抗がん剤治療を行なってしこりを小さくしてから手術をする術前化学療法を積極的に行なっております。2006年2月から2011年12月までに同じ方法で術前化学療法を行った乳がん患者さんは40人いました。その中で浸潤がんが全て消失した方は13人で全体の32.5%でした。乳房温存療法が困難な患者さんでも温存術が可能となり、術前化学療法をやらなかったとしたら温存率が47.5%となるところが、82.5%にまでになりました。

 抗がん剤治療によって必ずしもがんが同心円状に縮小するとは限らないためこうかがあった方全員に温存療法ができるわけではないのです(図参照)。画像診断で温存可能かどうかをよく見極める必要があります。この他にも術前化学療法のメリットは多くあり、適合する患者さんにはお勧めしたいと思います。

抗がん剤治療と乳房温存


3

乳房再建・

乳頭再建・乳輪再建

乳房再建

 乳房再建のインプラント(シリコン)が保険適応となってから3年が経過し、乳癌の手術治療は新たな転換期を迎えています。乳房温存手術が主流で乳癌手術の60〜70%程度を占めていましたが、インプラントと組織拡張器が保健適応となってからは乳房切除(全摘)+ 乳房再建という手術方法が急増してきたのです。当院でも数%程度だった全摘+再建が最近では22%程度にまで増えています。
 できてしまった乳がんの広がりなどのため乳房切除(全摘)となってしまう場合でも切除と同時にティッシュ・エキスパンダーという生理食塩水の袋を胸の筋肉の裏側に挿入し、少しずつ生理食塩水を注入して皮膚を伸ばして乳房に似た膨らみを作っていきます。ある程度膨らんだところで、袋をシリコンに置き換えます。保険適応となるまでは自費で約100万円かかっていたため希望があっても再建を断念した患者さんも多かったと思うのですが、無理に温存手術をしなくても乳がんは取りきれ、放射線治療の必要なく、美容的にも保たれるという利点があります。70歳代の比較的高齢の患者さんも再建を希望する方が増えています。

エキスパンダーの挿入

乳頭・乳輪再建 

 シリコンに入れ替えてから数か月後に乳頭の再建も可能となります。さらない、自費(約6万円)となってしまいますが、タトゥー(刺青法)による乳輪形成も可能です。詳しくは形成外科のブログにて順次紹介していく予定です。
 人工物によらない自家組織(腹部または背中の筋肉)を使った乳房再建にも対応しています。詳しくは形成外科外来にお問い合わせください。

4

美容面も
重視した
乳がん手術

 乳輪部切開のみで特殊な道具を用いて乳房温存手術を行なっています。乳輪と白い皮膚との境目に沿って皮膚を切開するため、傷跡が目立たず、乳房の変形もより軽度となるため患者さんからもとても好評です。特殊な道具とライティングを駆使することによって非常に短時間で内視鏡手術と同じような手術が可能となりました。しかし、全員が対象となるわけではなく、しこりが皮膚に非常に近かったり、皮膚が凹んでいたり、乳輪が非常に小さかったりという場合は別な方法で乳房温存手術を行なうこととなります。現在では乳房温存手術のほとんどが乳輪部切開法です。
 当然、手術後の乳房の形というのは患者さんのその後の心理面にとても大きな影響を与えます。オンコプラスティックサージェリー(オンコ=癌、プラスティック=形成・美容、サージェリー=手術)といって、今では美容面を重視しながら癌を治す時代なのです。「癌を治すのだから見た目なんてどうでもいい」と自分に言い聞かせなくてもいいのです。

5

乳がん
チーム

 乳がんの患者さんを私たち「乳がんチーム」がケアしていきます。新たに結成された乳がんチームは、医師・看護師・診療放射線技師・薬剤師・ソーシャルワーカーで活動しています。乳癌と告知された瞬間から私たちチームでサポートしていきます。

乳がんチーム
 
 
3

外来
化学療法

 抗がん剤や抗体療法製剤による化学療法を受けることになった患者さんに専用チェア(あるいは専用ベッド)を用意し、医師−看護師−専任薬剤師の連携のもと治療を行っていきます。安全キャビネットを用いた薬剤の無菌操作、複数による薬剤チェック、きめ細かな副作用対策などで安心して受けていただけるようにしております。静かな専用化学療法室にて治療をお受けいただけます。

 



 

3

クリニカル
パスの導入

  乳がん手術にはクリニカルパスを導入しています。これによって外来−病棟−手術室の連携がとれ、患者様も時間軸に沿った治療の流れが理解しやすく、治療が安心して受けられます。

 

   
3

患者会

新八柱台病院で乳がん治療を受けた方の会ができました。患者さん達が「さくらんぼの会」という名前で患者会を立ち上げてくれて、年に数回の会合をもっています。同じ病気になった方の情報交換の場としてとても好評で多くの方が会合を楽しみにしています。八柱三和クリニック、三和病院と場所は移りましたが、「さくらんぼの会」も継続して活動していただいています。平成28年5月の会にも40名近い方が参加され、笑いが絶えず、皆笑顔で元気をもらっての散会となりました。

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