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渡辺聡枝内科部長にインタビュー

穏やかな笑顔がトレードマークの渡辺聡枝先生は、
三和病院建設の中心メンバーの一人です。
激動の数年間を走り抜けてきたとは思えない、おっとり落ち着いた
雰囲気は渡辺先生ならではの魅力であり、
患者さんの信頼を勝ち得ている秘訣。
渡辺先生に今の心境を伺ってみました。

                      (2014年4月現在)

──三和病院の竣工が近づいてきました。新しい病院をつくるにあたって、内科の責任者として、目指す病院像をお聞かせいただけますか。

渡辺 新しい病院は、地域の皆さんの多大なご協力に支えられて誕生いたします。病院建設にあたっては、病床認可を求める署名活動に2万人もの方々が賛同してくださいました。「私たちの病院を」という皆さんのご期待に応えるためにも、困った時にこそ頼りにしていただける「まちのかかりつけ病院」でありたいと思っています。
 この地域には大病院も多く、専門医には恵まれていますが、一人の患者さんをトータルで診る医師、病院は不足しています。私たちが目指しているのは、特殊な医療機器や専門性が絶対必要というより、もっと、一般的な病気の患者さんを総合的に診療する病院像でしょうか。
 私が担当する内科では、60代、70代以降の患者さんが大半を占めているのですが、ご高齢の方はいくつもの疾患を抱えていることが多いものです。

 例えば、喘息は呼吸器科、不整脈は循環器科、糖尿病は糖尿病科、胃潰瘍は消化器内科、リウマチはリウマチ•アレルギー内科、バセドウ病は内分泌内科など、ご高齢の方が何か所も受診するというのはたいへんな負担です。もちろん専門的な治療が必要な病気と判断すれば、専門医を紹介することになりますが、実際には特殊な専門性を必要とするケースはそんなに多くありません。
 当院では、どの医師も専門分野にとらわれることなく、内科疾患全般の診療を行っています。風邪や、腹痛、下痢、インフルエンザといったよくある急性の病気はもちろんですが、健康診断で異常があった方の精密検査(胃カメラ、大腸カメラ、CTなど)、糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病、長引く咳、気管支喘息、花粉症などのアレルギー性鼻炎、不整脈、甲状腺疾患、副甲状腺疾患、骨粗鬆症など、ほとんどの日常的な内科疾患を診療します。
 複数の病気を持っている患者さんが、あちこちたらい回しされなくてすむように、安心して入院できる病院をつくっていけたら、皆さんに喜んでいただけるのではないかと思っています。


──地域医療という観点から、今後、三和病院が果たしていくべく役割りについてお聞かせください。


渡辺 今、急速に高齢化社会が進んでいますが、この地域においても例外ではありません。これから先、病院の不足、病床の不足はますます深刻化すると思われます。現在の状況としては、残念ながら患者さんのご希望通り、ゆっくり何日も入院していただくというのは不可能になってくるでしょう。今後は、在宅訪問診療を組み込んでいくことも早急に必要になってくると考えています。
 新しくオープンする三和病院では、地域に暮らす人々を支える病院として、現在行っている在宅訪問医療を広げていくことも視野に入れて、準備を進めています。
 ご高齢の方で末期がんが見つかった場合、大きな病院で何時間も待たされるのは辛いから「先生のところで、できる範囲のことをやってほしい」と希望される方が多いんです。
もちろん、治せる病気は治してあげたいですよね、たとえ、どこの病院へ送ってでも。けれども、どうやって看取るかという時に、人間関係ができている長年通いなれた病院で、気心の知れた人たちがいて、ちょっとわがままも言えて、あまりチューブにつながれず、静かに安心して最後の日を送りたいというのが、多くの人の願いなのではないでしょうか。
 新しい病院では、50床のベッド数でどれくらいのことができるのか分かりませんが、自分の出会った人たちが少しでもいい時間が過ごせるように、当たり前のことですが、最前を尽くした治療を行っていきたいと考えています。

 

──病院内で働いている立場から、職場としてどのような環境づくりを考えていらっしゃいますか?


渡辺 私事になりますが、私には3人の子どもがいます。2人目の子どもが生後数か月のころ、当時、新八柱台病院にいらした斉藤丈夫先生から声をかけていただいて、子育てとの両立に不安を感じながらも入職することに決めました。新八柱台病院には院内保育室があって、そこで下の子を見ていただきました。また、たびたび熱をだす幼児を抱える私には、県内初の病児保育室も大きな支えになりました。子育てのしやすい環境のためか、3人目も出産しましたが、この2つの保育室のおかげで、安心して仕事に打ち込むことができたのです。
 三和病院には、これから新しいスタッフがたくさん入ってきます。ことに看護師さんは女性が多いですから、彼女たちが子育てをしながら安心して働ける職場環境として、院内保育室の設置を実現させました。
 医療を提供する側の私たち自身に不安があったり、心配事を抱えていたりすると、仕事に集中できなくなりますから、医師や看護師が安心して働ける環境づくりを考えることは、とても大切なことです。
 今、千葉県では医師不足、看護師不足が深刻な問題になっています。そんな中で、新しい病院のオープンに向けて、優秀で熱意のあるスタッフを確保するべく、現在、一生懸命に力を尽くしているところです。これまでさまざまな困難を乗り越えてきた経験豊富なスタッフと、希望に満ちて新しく参加してくるスタッフが力を合わせて、患者さん、地域の皆さん、そして病院のスタッフの3者が満足できるような、病院にしていきたいと思っています。

渡辺聡枝先生

Dr.Satoe WATANABE

渡辺 聡枝 医師(内科部長)  
昭和61年卒
日本内科学会総合内科専門医
千葉大学医学部旧第二内科(現細胞治療学講座)
脂質研究室で脂質異常症を学び、
その後松戸市立病院などで消化器疾患をはじめ、

広く一般内科の研鑽をつみました。

長引く咳、気管支喘息、
甲状腺疾患等も診療します。