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渡辺修新院長インタビュー

三和病院オープンまで4ヶ月。
千葉県以外のエリアからも患者さんが多く通ってくるほど、
三和八柱クリニックの評判は年々、高まっています。その人気の
秘密の一つが、渡辺修先生の乳腺外来です。
新病院の開業で、予約待ちの患者さんの負担を減らせるのが
なにより嬉しいと微笑む渡辺修院長に、
新病院開院に向けた心意気を、語っていただきました。

                       (2014年4月現在)


──三和病院オープンまであとわずか。院長としてどのような病院を目指していらっしゃいますか。


渡辺 三和病院全体の理念や方向性に関しては、斉藤丈夫理事長のコメントを読んでいただければ十分だと思います。
 この松戸エリアでの中規模病院として担う責務に関してまずお話ししますと、ご存知のように日本では今、全国的に高齢化が進んでいます。この松戸エリアは、戦後ベッドタウンとして発達してきたので、そのスピードが大きな問題だと言われています。
 そんな中で、疾病構造も変化してきています。高齢化に伴い、完治の難しい慢性病を同時にいくつも抱える患者さんが増えてきているのです。これに対応するには、個別の臓器ごとではなく、総合的に患者さんを診る医療の視点が不可欠になってきます。最先端技術の提供を期待されている大学病院や大きな総合病院では専門分科が進み、難病の克服に大きな成果をあげています。
 喜ばしいことですが、反面、細分化が進むほど、総合的な医療ニーズに応えるのは難しくなっていきます。これからは、複数の慢性疾患を抱える高齢者にきめ細かい総合的な医療を提供することがとても重要になってくるでしょう。三和病院の存在意義の一つはまさにそこにあると思っています。


──新病院をつくるメリットとはどんなところにありますか?


渡辺 病院建設までの経緯に関しては、理事長にお譲りしますが、この三和病院の母体となっている八柱三和クリニックには手術、入院設備がないために、現在、別の総合病院と連携しています。私たちもカンファレンスに参加することで情報を共有し、患者さんに対してできる限りのフォローをしているつもりですが、十分とは言えず患者さんに、ご不便をおかけしています。
 乳がんなどはほとんどの場合、手術すれば終わりというわけにはいきません。再発を予防するために薬物や放射線治療をしていただくことになります。また、残念ながら再発された方には、生活を維持しながら治療を続ける手助けが必要です。それにはどうしても入院設備がなくてはならない。手術や入院設備の整った病院になれば、うちのスタッフがオールインワンで、すべて責任を持って診ることができます。これが新病院建設の目的であり、いちばん大きいメリットではないでしょうか。


──患者さんの期待も大きいことと思います。


渡辺
 そうですね。病院の建設にあたっては多くの患者さんから賛同の署名をいただきましたが、その過程で「もうよその病院に行かなくてすむんですね」「先生の病院で手術してもらいたい」「先生の実力が発揮できるような病院ができるように協力したい」など、ありがたいお言葉をたくさんかけてもらいました。まさに感涙の極みです。自分が走り続けている道は間違っていないと確信すると同時に、必ず結果を出して皆さんの期待に応えなければと、改めて身が引き締まる思いをかみしめています。
 

──三和病院建設にあたってスタッフの皆さんにアンケートをお願いしました。その回答を拝見すると、先生同様、スタッフの方々が本当にいい病院をつくっていこうと考えていると感じました。ここで、いくつかご紹介したいと思います。


──患者さんや家族にとってどんな病院にしたいですか?


●『安心感があり、温かみのある雰囲気を持っている』
●『自立した生活ができるような相談窓口。手を伸ばせば届くよ
  うな信頼関係が結べる』
●『いつもの先生に、いつものスタッフで、安心して安全な医療
  サービスを受けられる』
●『疾病を持ちながらも、どう生きていきたいのかを一緒に考え
  サポートできる病院』
●『クリニックのような親しみやすさと、通いやすい雰囲気のあ
  ふれた病院』などなど。


──地域にとってどんな病院にしたいですか?


●『近くにあってよかったと、思ってもらえる病院』
●『三和病院の存在が地域の方に安心を与えられるような、地域
  に密着した病院』
●『健康維持や慢性疾患の継続的治療をサポートしてくれる医療
  機関』
●『身近な二次救急としての安心感のある医療機関』
●『検診など健康維持、増進を計れる存在』


──医療スタッフにとってどんな病院にしたいですか?


●『患者さんが相談しやすい環境や雰囲気づくり、スタッフ間で
  連携してチームワークを向上していける職場』
●『自ら考える理想の看護を追求していける病院、生き生きと働
  ける職場』
●『働きがい、やりがいがあり、仲間同士の絆を大切にできる』
●『チーム医療を推進できる働きやすい職場』
●『誇りとやりがいを持って、スタッフ同士、連携をとって最高
  の医療を行える。常にコミュニケーションをとれる環境』
●『一人ひとりが仕事、私生活を充実できる環境がある職場』
●『スタッフ全員が一つのチームになって、情報を共有しながら
  働くことができる病院』などなど。


──以上、これらは回答の一部ですが、いかがでしょうか?


渡辺
 ええ、手前みそですが、スタッフたちがそこまで思ってくれているのだと正直、驚きましたし感動しました。私自身も病院長として、開院したらうかうかしていられませんね、いくつもの厳しい目で、チェックされる気がします(笑)。


──同じ目的に向かって気持ちを一つにできるのは、そこに信頼感があるからではないでしょうか。


渡辺 確かにそうです。うちのスタッフはみんな、お互いを尊敬し認め合っています。普通、科と科の間には垣根ができてしまいがちなのですが、うちの場合はそれぞれの科の医師の間で非常に密な連携がとれています。医師だけでなく看護師や助手も教科書どおりの看護ではなく、患者さんに寄り添う気持ちのこもったケアをしてくれています。そこは自信を持って自慢できる点です。
 最も重要なのは患者さんがここにかかってよかった、何かあったらまた来たい、自分の家族もここで診てもらいたいと思ってもらえる病院にすることです。いい病院は医者だけではつくれません。そこで働くすべての人たちが同じ意識でないと。 
 新病院は民間の病院ですから、もちろん院長として収支のことも考えなくてはなりませんが、現場で働く人たちが、患者さんを診ることに意識を集中できる環境を、これからも維持していきたいと心新たにしています。


──ところで、先生のご専門の乳腺外科では、先生が新八柱台病院に赴任された平成16年4月からこれまでの約10年間で、1000人以上の乳がんや消化器がんの手術を行ってきています。


渡辺 昨年1年間だけで、176例の乳がん手術を行いました。このうち、乳房温存手術を行った患者さんが152例で、乳房温存手術の割合は85%と、非常に高くなっています。この1年間の手術数176例がどの程度の数かというと、千葉県内で1年間に200例以上手術をしている病院が、亀田メディカルセンター、千葉県がんセンター、国立がんセンター東病院、千葉大学の4施設ですが、私どものクリニックはそれに続く数です。今は手術を新松戸中央総合病院で行っているため、手術日などの制約がありますが、三和病院がオープンしたら、もっと手術件数は伸びていくと思います。また、手術までお待たせすることも少なくなると思います。
 私はもともと東京女子医科大で、消化器がん、乳がんの発がんメカニズムやがんの拡がり診断に関する研究を行っていました。平成6年に1年間、新八柱台病院へ外科部長として勤めて以来、毎週火曜日に外来と手術を担当してきました。しかし、もっと患者さんに近いところで自分が培った知識や力を発揮したいという思いから、平成16年4月に、女子医大を辞めて、新たに新八柱台病院に外科部長として赴任、乳腺外来を立ち上げたわけです。そして、思ってもみなかった病院経営者の脱税問題で、斉藤先生はじめスタッフと病院再興を目指して別の病院へ移籍、その後の方針転換で、再度、新たなる道を目指しての葛藤と独立へ向けての活動、八柱三和クリニック開業と、疾風怒号の経験を経て、今日があります。目まぐるしい一大騒動を同志としてともに切り抜けてきて、この新病院で骨を埋めるまで働くことを決意しています。
 八柱三和クリニック開業後も乳がん診療に力を注いできて、その間、私を信頼してついてきてくれたスタッフ、新たに加わったスタッフたち、抜群のチームワークで、患者さん一人ひとりにとって、最善の医療を行うことを誇りとしています。
 通って下さる患者さんは、口コミでかなり遠方からも来院されるケースが増えてきており、そうしたたくさんの信頼を絶対に裏切りたくないと思っています。


──乳がんの場合、大きく切除するか温存するか、医師によってさまざまな考え方があるようです。


渡辺 そうです。でもそれを細かく語っていると朝までかかります(笑)。簡単に言うと、大きく切除すれば再発の危険は少なくなる。反面、見た目の美しさを損なうのは女性にとって辛いことです。いかに美容面を考えながらがんを取り除くか。乳がんには相反する課題がつきまといます。かつては、がんを治すためなら多少の犠牲はしかたがない、乳房が片方なくなっても命にはかえられないと、見た目など気にするなと言い聞かされてきました。けれど、最近では小さく切除しても治ることがわかってきました。情報もいろいろあるし、患者さんの意識も変わってきていると思います。
 そんな中で私が行っているのは、ほかではまだあまりやっていない手術法で、そのコンセプトは「美しく乳がんを治す」です。切除した患部をイメージが崩れすぎないような形で治す同時再建も行っています。まったく元通りにはならないまでも、温泉や海にも気兼ねなく行ける気持ちって大事です。がんそのものを治療するだけでなく、患者さんの心も元気にしてあげることが大切だと考えています。
 私が手術した70代の女性が、毎日お風呂の時に自分の乳房を鏡で見て、手術したとは思えないくらいにきれいなので本当にうれしいと話してくれたことがあります。改めて女性に年齢は関係ないことをその方から教えられました。


──現在、乳腺外来の患者さんは松戸周辺だけでなく、茨城県や千葉市、東京都などかなり広域から来院されているそうですが、三和病院がオープンするとさらなる広がりが予想されます。


渡辺 新病院は、地域の方々に活用してもらえるものにしたいというのはもちろんですが、その一方で乳腺科としては専門性を活かし、遠方から来ていただいても他ではできない治療、満足度の高い医療を行っていきたいと思っています。これは今までもやっていることですので、目指すというよりも続けていくということです。


──今後は高レベルの人材を育てることも、院長としての大きな仕事となると思います。


渡辺 後進に医療技術を伝えることも私の重要な役割だと思っています。できる限り現役で手術はしたいですが、院長だからって70歳になってもしていいのかといったら、それは違うでしょう(笑)。うちは大学病院とは違って患者さんとの距離が非常に近いですし、私はこれまでも自分の持っている技術は後輩にすべて伝授してきました。今、新病院のスタッフを募集している最中ですが、センスがあって患者さんに優しい後輩が来てくれれば、惜しみなくどしどし指導して行くつもりです。来たれ、理想の医療を目指す若者よ!です。

渡辺修院長

Dr.Osamu WATANABE
昭和60年3月
群馬大学医学部卒業
昭和60年5月
東京女子医科大学附属東医療センター外科入局
平成 7年4月
新八柱台病院外科医長
平成 8年8月
アメリカコーネル大学外科留学
平成10年8月
東京女子医科大学附属東医療センター外科助手
平成15年5月
東京女子医科大学附属東医療センター外科講師
平成16年4月
新八柱台病院外科部長
平成20年9月
松戸朋友クリニック・乳腺外科